@article{oai:jc.u-aizu.repo.nii.ac.jp:00000523, author = {渡邉, 幸夫}, issue = {69}, journal = {会津大学短期大学部研究紀要(CD-ROM版), Bulletin of Junior College Division, the University of Aizu}, month = {Mar}, note = {会津平の青垣山々のひとつ、奴田山(青木山)は会津百名山の一座を占める里山である。その昔この山は小田山城の一角を占めたことから、会津葦名氏(三浦氏)とも係わりがある。三浦一族の本拠は相模の国の衣笠城であるが、その他に奴田城(怒田城)や佐原城があった。そこで奴田山や荒佐原山の名は三浦一族の城のそれに由来するともいえよう。しかし「奴」の意味は蔑視や蔑称に繋がることから、なぜ奴田山と称したのか、不自然であると考える。また奴田山はかつてヒダラハゲヤマや上ホシ山とも呼ばれたとされるが、 この山名と山座同定についても疑問が残る。昨今はこの山麓の歴史や民俗を紹介する活動が盛んな折から、これらの疑問に挑むことは意義があると考えた。以下に本稿を要約する。1. ヌタとは湿地を意味する言葉である。奴田・吹矢山系を挟む東西の地域には湿地がある。資料として新編会津風土記の大巣子集落項に、ヌタノ原山との記述がある。また門田の条里制遺跡発掘調査から2種の田下駄が発見された。これを裏づけとし奴田山の名は湿地とそれに伴う辛い労働の場を意味すると考える。2. 奴田山は本来、奴駄山(ヌダヤマ)であって、その読みはドタヤマではない。3. 古地図と地形図(2.5 万図)との照合から、 ヒダラハゲヤマや上ホシ山は何れも奴田山ではない。4. 高知県にある大峰山山頂の字名が奴田山であり、国内で唯一同名の山であると推察する。奴(怒)のつく山や地名は全国的に幾つか存在するが、その多くは標高1000m 未満の里山である。5. 山伏塚と妙見信仰については馬の守護神との関連をも検討を要する。6. 上ホシ山のホシはボウ示の転訛とも考えられる。ボウジとは領地(所有地)の境界を意味することから、上ホシ山の名の意味は尾根上にあって、土地境界の目印となる峰を指すと推察する(仮説)。7. 上ホシ山の「上」が「神」と当て字関係にあれば、神ホシ山となる(仮説)。8. 仮説6と7とをさらに推し進めれば、上ホシ山は境界尾根上に位置し、その峰や山腹に山神(青木集落の麓山神社)の祠が祭られていた可能性も生まれる(仮説)。9. 奴田山山麓での「三ツ石」が火の神(荒神)と関連するか否かは不明であり、今後の課題として興味深い。, 論文}, pages = {19--34}, title = {奴田山(青木山)・・・その山名について考える}, year = {2012}, yomi = {ワタナベ , ユキオ} }